広島原子爆弾が炸裂時には、元日本軍青年兵士は広島市内では被爆していなかった。広島原子爆弾が投下されて炸裂した直後から、爆心地周辺で救護活動をしていた元日本軍兵士である。その5年後に、白血病が発症して死亡した。残留放射線に強く被爆して、白血病が発症したと推定された。白血病による結節が、全身に発生していた。被爆がまったくなく、無傷と思われた人たちが、被爆後に、月日が経過してから発病して、死亡した事例である。白血病により、皮下脂肪に炎症が起こり、皮膚に小さな卵くらいまでの大きさのやや膨らんだ赤色や紫色の斑点である結節が多数発生する。結節部には圧痛があり、発熱や倦怠感、関節痛など全身症状を伴う。皮疹は融合して大きな紅斑を形成して、赤紫色を呈するようになる。
原子爆弾によって発生したエネルギーのうち、約5%が初期放射線となり、約10%が残留放射線となった。放出される残留放射線は、爆発後24時間で約80パーセントが放出された。放射線は、人体の奥深くまで侵入して、細胞や組織を破壊して、血液を変質させ、骨髄などの造血機能が低下して、肺や肝臓等の内臓を侵すなど深刻な障害を引き起こした。爆発後に、長期間にわたって残留放射線を地上に残した。救護活動などのため市内が被爆した後に参入して、直接被爆していない人にも原爆症を発病した。原爆投下後、爆心地近くには放射性降下物や中性子による誘導放射能など残留放射能が存在し、その後に放射線を被爆した。広島および長崎における原子爆弾 放射線の日米共同再評価(DS86: Dosimetry System 1986)として、原爆線量再評価検討委員会が1986年3月に新しい線量評価システムを公表した。長崎原子爆弾は、プロトニウム型であり、Trinity実験と同一であり、推定精度は高かった。しかし、広島原子爆弾は、ウラニウム型であり実測値が乏しく精度が低下して大幅な誤差が出た。
残留放射線には、核分裂によって生じた放射性物質から放出される放射線と、核分裂していないウランから放出される放射線がある。最初の放射線に核反応して発生した放射性物質が発する放射線も含まれる。核爆発による残留放射線は、そのほとんどが放射性降下物による。放射性物質は、兵器の破片、核分裂生成物、地上での爆発の放射壌から発生する。核分裂反応で発生する核分裂生成物は約300種類以上あり、多くは放射性物質で、半減期が大きく異なる。半減期が数分の1秒と非常に短いものから、数ヶ月から数年にわたり危険な物質もある。放射性物質の主な崩壊様式は、ベータ粒子とガンマ線の放出である。残留放射線は、土壌や建築物の資材が中性子線を浴びることによって放射線を放出するようになる誘導放射線と、地表から巻き上げられた放射性物質を含んだチリやススの一部が雨などと共に地上に降下する放射性降下物がある。残留放射線は外部被爆に加え、食物や空気などと一緒に取り入れる内部被爆により、人体に影響を及ぼす可能性がある。
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