第一次世界大戦の映画「西部戦線異状なし(All Quiet on the Western Front)」において、ドイツ軍志願兵のパウル・ボイメル (Paul Bäumer)は塹壕に突撃したフランス軍兵士をナイフで胸を刺して殺害した。失声の障害者であったレイモンド・グリフィスが演じたフランス軍兵士は、声も出せずに無言で苦悶して死亡した。パウル・ボイメルは、フランス軍兵士のポケットから手帳を見つけた。兵士の名前はジェラール・デュヴァル (Gerard Duval)で、妻と娘の写真を持っていた。パウル・ボイメルは再び大声でデュヴァルの死体に許しを請うた。1930年のアメリカの白黒映画「西部戦線異状なし」は第3回アカデミー賞の最優秀作品賞を受賞した。ルイス・マイルストン監督は最優秀監督賞を受賞した。主人公のドイツ軍の志願兵であるパウル・ボイメルを、リュー・エアーズが主演した。
映画ではパウル・ボイメルは、塹壕からチョウに手をのばして、敵兵の連合軍兵士がライフルで撃たれ殺害されて息絶えると脚色された。1918年5月頃にパウル・ボイメルは射殺されて、前方に打伏して倒れて、まるで寝ているように地上に転がっていた。身体をひっくり返してみると長く苦しんだ形跡はない。まるで最後を遂げることを満足に感じて覚悟の見えた沈着な顔貌をしていた。パウル・ボイメルの死亡などには関係なく「西部戦線異状なし、報告すべき件なし」と文句が司令部に報告された。
原作者は、ドイツで生まれたエーリヒ・マリア・レマルクは、第一次世界大戦中にドイツ軍に徴兵された小説家である。戦争の危険な年月を通して、多くの戦場を経験した。戦後に、学校教師、演劇評論家、レースカーの運転手、スポーツ雑誌の編集者を経歴した。彼の最初の小説である『西部戦線異状なし』は、1929年1月にドイツで出版された。それは250万部以上を売り上げ、初めて多くの文学的な勝利を得た。ナチス・ドイツが権力を握ったとき、レマルクはドイツを離れてスイスに逃避した。彼はドイツに帰国を拒否し、ドイツの市民権を失い、小説は焚書により燃やされ、映画は禁止された(写真)。彼は1938年にアメリカに渡り、1947年にアメリカ市民権を取得して、1970年9月に死亡した。
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住居 尚子『思い出の小説ーもう一度読みたい最高の作品』1997年4月25日
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