ベトナム戦争において、ベトナム人少女がナパーム弾で、胸部の全体に火傷を受けて、その後に胸部ケロイドを形成した。ナパーム弾は、ナフサの主燃料にナパーム座位の増粘剤でゼリー状に充填した油脂性の焼夷弾である。特に重篤な火傷を人体に及ぼす。ナパーム弾は、非常に付着力が強く、皮膚に付着すると、皮膚もろとも全焼する。皮膚に付着したナパーム弾は、消火しても約5分程度は皮下組織でも燃焼し、筋肉や骨までも達する。火傷に伴う疼痛は著しく激しい疼痛が継続する。ナパーム弾の受傷者のうち、約10%が筋肉まで達して、約75%が皮下組織まで達した。全身の2分の1以上に皮膚が熱傷すると、死亡率も非常に高くなる。死亡に至らない場合には、火傷のあとに皮膚から厚いケロイドが形成する。外見が醜いだけでなく、関節の動きが制限される拘縮を伴う。ナパーム弾に罹災すると、身体が激しく衰弱し、出血、排膿なども伴う。
ナパーム弾の火傷以外の被害では、爆発して燃えだした直後に、多量の一酸化炭素中毒を引き起こす。一酸化炭素を吸って呼吸困難となり、その場に転倒して焼死した。生存舎には全身倦怠感、両四肢の知覚低下、不眠症、精神症状を引き起こす。上気道に起こる粘膜の火傷が起こる。重度の火傷を伴うと、排液や脱水などにより体液が変性して危機的なショック状態に陥る。高熱から溶血して、急速に貧血状態が進行して重篤となる。骨まで火傷すると融合や脱灰する。
ベトナム戦争のナパーム弾は焼夷弾に属して、NP1, NP2などがある。NP1は燃焼では約900度から約1,300度で約3分から15分間燃焼する。燃焼する範囲は、直径が約30mから60mに達する。NP2はさらに熱傷力を強めて、約1,500度から約2,000度にも達する。ガラスでも金属でも溶けてしまう。ベトナム北中部の特にクァンビン省からピリピン地区など十七度線付近に非常に多く投下された。非人道的で残酷なナパーム弾は、死亡者だけでなく、生存者には死ぬまで疼痛が続き、その後にケロイドや機能障害などの後遺症を伴う障害者となる。アメリカ軍のナパーム弾は、ベトナム人を焼き尽くし、破壊つくし、殺し尽くし、すべての生体と生活だけでなく、生命までも奪った。
非人道的な効果を有する特定の通常兵器の使用の禁止又は制限は,ジュネーブ追加議定書(1977年採択,1978年発効,日本は2004年加入)が採択される過程に結論を得ず,1979年及び1980年にわたる国連会議の結果,1980年に特定通常兵器使用禁止制限条約(Convention on Certain Conventional Weapons: CCW)がジュネーブにて採択され、1983年に発効された。(2)条約の構成 ウ. 焼夷兵器の使用の禁止又は制限に関する議定書(議定書III;1983年発効)文民及び民用物をナパーム弾等の焼夷兵器による攻撃目標とすること,人口周密地域にある軍事目標を攻撃目標とすること等を禁止している(部分的な使用規制)。
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