ベトナム戦争においてアメリカ軍兵士が、ベトコンの容疑があるベトナム人青年を、泥水の中で水漬め(waterboarding)を繰り返した。さらにベトコンであると自白させるために、殴る蹴るなどの虐待をして自白を迫った。逆さまの状態で、水を口や鼻の穴に注ぎ込むと、気管からの咽頭反射で、肺から空気が放出されて、直後に溺水状態に追い込んで、溺れ死ぬ残酷な苦痛が再現できる。溺死する状態に追い込むと、水死する心理的な恐怖を実感させる拷問である。その他に、身体を拘束した状態で、頭部の口と鼻の上に多孔性の布を置いて、顔に多量の水を断続的に注いで、窒息させ仮死状態に陥らせた。窒息させた布を上下させて水漬めを繰り返した。水漬めでは、身体に傷口や出血も少なく、虐待や虐殺の証拠が身体に残らない。
アメリカは、水漬めは身体を損傷しないので、拷問ではなく尋問として、ジュネーブ協定の拷問禁止の違反でないと主張していた。ベトナム戦争では、1968年1月21日に、ワシントンポストはダナン近郊で、ベトナム人捕虜をアメリカ軍兵士2人と南ベトナム軍兵士1人による水漬めを暴露した。その直後の軍法会議で、除隊の刑罰を受けた。水漬めは軍法会議で違反と裁定されて、アメリカ軍から除隊させた。2005年12月に拘留者処遇法で、アメリカ軍による水漬めなどの拷問を禁止した。2009年1月に大統領令で、政府警察機関における水漬めの拷問を禁止した。
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